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  • 令和5年12月定例会 12月11日 本会議 一般質問
  • 日本共産党議員団  上野 公悦 議員
1 新潟労災病院閉院問題と直江津・上越地域の医療体制の機能充実について
(1) 2023年(令和5年)6月21日、上越地域医療構想調整会議が開かれ、「新潟労災病院の機能 (医師数、入院患者数、緊急受入れ)が低下し、閉院に至るので、上越医療圏域の他病院で機能の低下を補うために、新潟県地域医療構想のグランドデザインに沿って、再編・集約することに同意し、今後早いうちに具体化する」とされた。今回の問題は、単に新潟労災病院だけの問題ではなく、国の医療政策とそれに基づいた地域医療構想が根底にあると認識している。地域医療の役割は、地域に居住する市民の命と健康をしっかりと守るために、必要とされる医療体制を構築し、安心できる医療を提供することにある。そこで次の点について市長の考えを聞きたい。
 ア 上越市民の命、暮らしを守るという医療の目的と使命に向けた上越医療圏に必要な課題や、本質的な課題達成に向けた医師や医療スタッフの確保など、重要な議論をないがしろにして、いきなり閉院を前提に、それによって低下する医療機能を他病院で補うという「再編・集約の具体化」という議論で良しとしているように思える。問題の本質は医師・看護師の決定的不足であることをどう認識しているか。
 イ 「新潟県地域医療構想のグランドデザイン」の考え方は、医師・看護師不足を打開することなしに、現状のまま医療の効率化という国の方針に沿ったものだ。具体的には、特定の病院に高度医療や医師などを集約して「手術」や「救急」に対応し、それ以外の病院からは手術の機能をなくすという病院の格付け・機能分担だと読み取れる。この考え方は、広域である上越医療圏域にふさわしいと思うか。地域住民の命と健康をしっかり守る医療を構築できるのか。
 ウ 結論的に、新潟労災病院をどうするのか。市内人口集中地域の一角である直江津から病院がなくなっても仕方がないで済まされる問題か。運営主体は違うが、市長は、市民の健康と命、地域医療を守っていくため、1つの病院も閉院させず、新潟労災病院は上越の基幹病院の1つになるべきだという認識を持つ必要がある。医療提供体制が貧弱になりつつある最大の問題は、全国最悪クラスの医師・看護師不足であるが、医師・看護師の確保に向け、市独自に抜本的な手立てを取るべきではないか。また、県に対しては県独自の医師養成機関の設立、国に対しては医師減らしの医療政策の根本的変更など、具体的な方策を示して市独自に要望すべきではないか。
2 通年観光への取組について
(1) 上越市通年観光計画の中間とりまとめにおいて、高田・春日山・直江津の3地域で歴史文化を生かした観光地域づくりと観光消費額アップに集中的に取り組み、13区など周辺地域へ誘導することによって、シャワー効果を生み出すとしているが、この考え方に対して違和感を抱く。13区も含めて周辺地域には、これまで長年にわたって創り上げてきた文化や暮らしなど、素晴らしい観光資源、文化遺産などがある。このような考えを改め、地域にある一つ一つの文化・観光資産の価値を独自に高め、磨き上げていく方策が必要だと思うがどうか。
(2) 市長は、令和5年8月30日開催の通年観光をテーマにした市民と市長との対話集会において、「観光をやってしまうと今までの生活が崩れてしまうことはどこの観光地でもある」と発言したと報道されている。市民生活を守ることが最大の責務である市長がこのような発言をすること自体、その資質を問われるが、市長の主張する「通年観光」が市民生活を崩してしまうようなものであれば、即刻方針を撤回すべきと考えるがどうか。「観光振興政策」は、あくまでも日常の市民生活を豊かにすることを前提にすべきものであり、観光振興を推し進めることで市民生活が犠牲になってはならない。このことをどう考えるか。